音楽塾ヴォイス / メディア情報
WHO’s WHO BUSINESS
音楽塾ヴォイスが4月に東京進出「ヴォイスは常に謙虚な姿勢で前向きに勉強するところでありたい」
ORICON BIZ(2009年2月9号掲載)
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西尾芳彦氏

(株式会社セカンドステージ 代表取締役/音楽塾ヴォイス塾長)
YUI、絢香、ビアンコネロを輩出した福岡の「音楽塾ヴォイス」が、いよいよ4月に東京校を開校する。その主宰者であり、講師でもあり、音楽プロデューサーとしても活躍する西尾芳彦氏に、同塾のビジョンを開いた。  


”東京校の開校によって新人発掘の間口を広げたい”       

―4月に「音楽塾ヴォイス」の東京校(港区麻布十番)を開校されますが、そのいきさつと意図を教えて下さい。
西尾 現在、福岡本校に通うために東京、名古屋、東北から移り住んでくる生徒が十数人いるような状態でして、「東京校はないんですか?」という問合せが多かったのが一つ。それから、僕自身が仕事で東京にいる比率が高くなってきたのと、新人発掘のためにも間口を広げたいというのが理由ですね。

―少人数制レッスンを採用されていますが、現在の福岡本校の生徒数と、東京校で想定されている規模は?
西尾 福岡は付きに5人ペースで増えて行き、現在は100人を越えています。レッスンは週1回・60分でほぼマンツーマン、グループの場合は2~3人一緒に行っています。東京校は福岡よりもキャパシティは多いですが、それでも最大200人が精一杯でしょうね。講義形式ではなく、寺子屋形式のきめ細やかなレッスンやケアをするためには、1クラス3人が限度だと考えていますから。この方針は、東京校にも踏襲していきます。

―少人数制レッスンによるビジネス的なメリットはあるのでしょうか?
西尾
 経営的には10人を一度に教えた方が効率はいいんでしょうが、そうすると一人一人の満足度が低下して継続率が低くなってしまうので、むしろそっちの方がつらい。たとえばギターなら、まったく弾いたことが無い人と、腕に覚えのある人とではどうしても差があるので、どちらに合わせても弊害が出てしまいます。それぞれのレベルに即し、隅々にまで目の行き届いた指導をする為には、やはり少人数制しかないんです。さらに「ヴォイス」では担任制をとり、一人の講師が40~50人を受け持っています。担任制なら、生徒の成長度合いを初めからずっと見られるわけですから、誰がどんなことで悩んでいるかもわかりますし。また、生徒だけでなく講師のレベルも上げるべく、定期的に講師の勉強会を開いて、生徒と同じ目線に立てる人材作りも行っています。

―東京校の第一期生の募集はオーディション制なんですね。
西尾 そうです。まず、1次オーディションはデモテープをもらって審査するんですが、そこで上手か下手かはあまり関係がなく、二次審査の面接が一番重要になります。本人の顔をみながら話をして、いかに真面目に、ひたむきに勉強できるかを判断します。そして、入学後は音楽以外に興味を持たせません。要は「音楽オタク」じゃないと伸びないんです。そこは面接でも丁寧に説明しています。入学時はとても厳しいですが、入ってしまえばとてもアットホームなんですよ。

―最近の生徒さんの音楽志向はどんな感じなんでしょうか?
西尾 今の若い人は、好きなアーティストといえばJ-POPの人気アーティストばかりでほとんど洋楽を知らないんですよ。当然、音楽の歴史を知らなければ、ジャンルがどう成り立ったかもわからない。それを教えながら、洋楽・邦楽を新旧問わず僕がセレクトした楽曲を歌わせてみたり、ギターを弾かせたり、分析させたり。そうするうちに音楽の聴き方が変わってきて、趣味も変化するんですよね。たとえばブルースやゴスペルなどの音楽ルーツにどんどん興味がわいてきたり、好きなアーティストの影響を受けたミュージシャンのことを知りたくなったりしますよね。古くてもメロディーそのものが良ければカッコいい、ということに気づいていくんです。


”軽い気持ちではなく、とにかくやる気がある人に来てほしい”

―ヴォイス音楽塾の出身者としては、05年のYUI、06年の絢香に続いて、この4月にはマリアがデビューしますが、彼女は西尾さんが東京で指導をされたのだとか?
西尾 マリアは僕が東京でマンツーマン教えた初めての生徒になりますね。初めてあったとき彼女は既に20歳だったので「デビューは難しいかもしれない」と伝えたんですが、何回も話をしたり、歌ってもらうなかで、「この子はいったいどこまで可能性を持っているんだろう?」と感じたんですよ。絢香ほどは歌も上手くないし、YUIほどにオーラがあるわけではないけれど、そこにいると何か気になる存在ではあって。それに、歌やギターから作詞・作曲まで1から徹底的に教えてみると、吸収力とセンスがものすごかったんです。「ダメでもともと。とにかくやってみよう」と始めたレッスンでしたが(笑)、本人がどんどんやる気になってきて結果的にユニバーサルミュージックからのデビューが決まったので本当によかったです。

―新人アーティスト開発も順調に進んでいらっしゃるようですね。
西尾 ありがたいことにレコード会社さんには3ヵ月に一度、校内オーディションを実施して頂いていますので、早ければ3カ月でオーディションを受けられるようになります。こうした業界の方々の期待に応えるためにも経営者として、講師として、常に勉強しなければと身の引き締まる思いです。音楽プロデューサーとしてもクオリティの高い音楽を提供してレコード会社さんやプロダクションさんに評価していただくことが、引いてはヴォイスのブランド力につながります。さらには、僕がヒットを飛ばせるようなアーティストを育成できれば、それが学校の指導方針の説得力にもなり、生徒たちのモチベーション向上にもつながるので、良い影響を与えられると思うんですよ。

―新設される東京校にはどんな生徒を求めますか?
西尾 とにかく「やる気」がある人。軽い気持ちでは来てほしくないと思います。「いつデビュー出来ますか?」「この学校に通えばデビュー出来るんですか?」と、勘違いしている人もたまにいるんですけど(笑)、本人が成長しないと絶対にデビュー出来ませんし、自分から動かなければどこへ行っても可能性はない、ということを知ってほしいんです。それは裏を返すと、真撃に自分と向き合って実力を高められれば、どこにいても目につく存在になれるということです。「音楽塾ヴォイス」は常に謙虚な姿勢で前向きに勉強するところでありたい。それが一番大きなビジョンであり、僕のポリシーです。

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