音楽塾ヴォイス / メディア情報
YUI・絢香に続け!出身の音楽塾、東京進出
朝日新聞夕刊(2009年4月10日掲載)
090410朝日新聞夕刊
 シンガー・ソングライターのYUI、絢香ら大型新人を送り出してきた福岡の音楽塾ヴォイス。東北、東京、名古屋からの塾生も増え、この4月に東京校(港区東麻布)がオープンした。5月には第三の女性新人、マリアもメジャーデビュー予定だ。多くの人を魅了する才能を育てた「ヴォイスイズム」とは。(藤崎昭子)  

 塾長の西尾芳彦氏は佐賀県出身。YUIと絢香プロデュースし、絢香の「Ibelieve」「三日月」など出世曲の共同作曲者でもある。
 「ヴォイス」は、西尾氏がかつて結成し82年にデビューしたバンドの名だ。ソロ転向後も成功をつかめず、88年には音楽界からも身を引いた。会社勤めをへて、95年に福岡の音楽学校の講師を引き受けた。もっと一人一人の可能性と向き合おうと96年に自ら音楽塾を立ち上げる時、友人に「原点を忘れず悔しさをバネにしろ」とこの名を勧められた。
 福岡校はマンションの一室で生徒4人から出発した。今は100人以上が歌唱法や音楽理論などを学ぶ。レッスンの基本はマンツーマン。多くても3人までしか教えない。  
 上級者には作曲のツボも伝授する。「昔は『おれの感性が一番』と思っていた。でも、ヒット曲には共通点がある。例えばアヴリル・ラヴィーンも、実は曲の作りはオーソドックスで、ビートルズやシェリル・クロウの流れをくんでいる。そんな風に徹底分析して築いたヴォイス理論でやれば、絶対曲が書ける」    
 東京校も同じレッスン方式だ。1期生は小学6年生から36歳までの約130人。教室の入り口には大きく「WAR ROOM」の文字を掲げる。「音楽業界で一度負けた僕を超えられなければ成功はつかめない。僕との戦いの場であり、自分自身との戦いの場でもある」と西尾氏。  
 プロ養成だけが目標ではないという。「6年目でやっと弾き語りができるようになった生徒もいた。僕はかっこいいと思った。どんなレベルであっても、音楽の喜びを見つけてライフワークになるよう、カリキュラムを組んでいる」  


 5月20日には塾生のマリアがユニバーサルからデビュー予定だ。アイドルユニットでデビューしたこともあるが、2年前にシンガー・ソングライターとして再起を図ろうと弟子入りした。二人三脚で作った挑発的なデビュー曲「Getaway」は、西尾氏の勝負曲でもある。「YUIと絢香は僕にとってもすごい壁。こいつらだけは超えなければ」  
 待合室のいすは、YUIが組み立てたという。そのいすでレッスンを待ちながら絢香の映像を見つめる東京校1期生たち。デビューの日を目指して、熱い戦いが始まった。

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