音楽塾ヴォイス / メディア情報
~伝説のヘビメタバンド・メガテスの元ギタリストがヒットの秘密に迫る~
マーティ・フリードマンのJ-POP メタル斬り
日経エンタテイメント(2009年6月号 掲載)
日経エンタテインメント2009年6月号
”女の子が70年代ロックを歌う不思議”

最近聴いた曲のなかで70年代アメリカの影響をすごく感じたのが、新人の女性シンガーソングライター、マリアの「Getaway」です。彼女は、絢香ちゃんやYUIちゃんと同じ音楽学校の出身らしいんだけど、確かに、全体の雰囲気はYUIちゃんにちょっと似ています。初心者でも演奏しやすい定番のコード進行をうまく使った曲作りや、ハモンドオルガンのような楽器の音色とか、70年代のオーガニックなロックをかなり意識しているはず。 とはいえ、その70年代ロックっぽいコード進行の上に、一度聴いたら忘れられないキャッチ―な歌メロが、すごく可愛い女の子の声でのっかってくるのは、やっぱりJ-POPならではの世界観です。アメリカ人の僕からすると、そのギャップはかなり強烈でたまらなく新鮮だよ。絢香ちゃんは、最近、結婚報告と合わせて、持病の治療に専念するために、音楽活動を休止することを発表したみたいだね。残念だけど、新曲の「夢を味方に」は、そんな病気のことをまったく感じさせないくらい感動的な1曲です。特に面白いのは、コーラスのアレンジ。ゴスペルっぽい雰囲気が後半に向けてじわじわ盛り上がっていく仕掛けに、彼女のソングライターとしても進化を感じました。

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